「ちくま」(筑摩書房PR誌)12月号、「ランティエ」(角川春樹事務所PR誌)1月号から小説の連載がはじまりました。
「ちくま」の方は、「東京のぼる坂くだる坂」。
東京の坂をめぐる物語です。
主人公・蓉子の両親はずっと前に離婚し、蓉子はその後、母親と暮らしていた。五年前にずっと会っていなかった父が亡くなり、受け取った遺言状には父がそれまで暮らしてきた坂の名前が記されていた。父は死ぬまでに数十回の引っ越しをしてきた変人で、しかも決まって名前のついている坂の近くに住んでいた。たまたまそのうちのひとつを訪れた蓉子は、父が暮らした坂を訪れてみようと思い立つ。
毎回ひとつの坂を訪れ、そこで見たものを綴っていきます。九ポ堂さんによる坂のイラストマップつき。
12月号から。
「ちくま」は月刊ですが、わたしの連載の方は隔月(偶数月)になります。
「ランティエ」は「菓子屋横丁月光荘」。
「活版印刷三日月堂」と対をなす、もうひとつの川越の物語です。
主人公・遠野誠二は大学院生。家の声を聞く不思議な力を持っている。千葉にある家から2時間かけて大学に通っていたが、指導教授・木谷の紹介で、川越・菓子屋横丁の近くにある古民家に住みこみ、建物の管理をすることになる。その家は築七十年、木谷の大学時代の友人で川越の地主・島田の持ち家で、しばらく空き家でぼろぼろになっていたものを元の姿に改築したものだった。
「三日月堂」の取材で川越を訪れるうちに川越という街への関心が深まり、今度は街自体をじっくり描いてみようと思って書き始めました。舞台になる古い家は架空のものですが、川越の旧市街地の古い建物や人々の暮らしを感じさせるような物語にしたいと考えています。
1月号から。
「ランティエ」も月刊。連載はお休みする月もありますが、ほぼ毎月の予定です。
ちくま http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/
ランティエ http://www.kadokawaharuki.co.jp/rentier/