告知が遅くなりましたが、新刊が出ました!
『銀塩写真探偵 一九八五年の光』(角川文庫)
フィルムカメラを題材にした、少しだけファンタジー要素のある作品です。
写真はずっとむかし習っていたことがあり、これまで何度か小説にも書いてきました。
『空き家課まぼろし譚』『みずうみの歌』と合わせて写真3部作、と思っております!
ネガを現像するときに引き伸ばし機という機械を使うのですが、この小説には、それを使うとネガの世界に入り込むことができる、という不思議な力を持った引き伸ばし機が出てきます。
入り込んだ先は、モノクロですべてが静止した世界。
写真に撮られた部分を超えてずっと遠くまで広がっていて入り込んだ人たちはなかを自由に歩き回ることができるのです。
ファンタジー要素はありますが、不思議は引き伸ばし機の力の1点のみで、ほかは現実的な物語です。
大学入学前の陽太郎と杏奈という男女ふたり、陽太郎の写真の師で杏奈の伯父である弘一が主人公です。
舞台は国分寺。
いまの国分寺と、写真の中の1985年の国分寺が登場しますので、国分寺に縁のある方には楽しいかも。
どうぞよろしくお願いします!