中央公論新社から新刊『ある小説家の死からはじまる物語』が出ました。
久しぶりの単行本で、小説創作をめぐる物語です。
大学で創作ゼミを受け持つ作家・時任晶子が死んだ──。
卒業後、恩師の死をきっかけに 再び「書くこと」に向き合う教え子五人。
一方、 時任の最後の作品のラストにはある疑惑が……。
大学で小説創作を教えて18年になります。
そのあいだ、小説を書きたいと言う気持ちを持った学生たちとたくさん出会いました。
デビューできる人はなかなかいませんが、その人にしか書けない、熱のこもった作品にもたくさん出会いました。
卒業論文では10万字を超える作品を書く人もいます。
その「書きたい」という気持ちはなんなのだろう。
今回はそのことを考えて書きました。
「うまく書くには」とか「プロになるには」というような話はあまりありません。
文芸創作というのは、どんなジャンルでも、たとえ収入に結びつかなくても、単なる「趣味」と言い切れないなにかが宿ってしまいます。
仕事にならなくても、それを背負って生きている人もたくさんいると思います。
常にもうひとつの世界が頭のなかにあって、それを世に出したいと思う。
自分の書きたいものを書くためにはたくさんの時間が必要で、ほかの仕事をしながらではむずかしいでしょう。
それでも書きたい気持ちは持っていいし、仕事じゃなくても書いていいとも思います。
一方で、いろいろな事情で書くのをやめる人もいる。
生きていく上でもっと大事なものに出会うこともあるでしょうし、使える時間は限られている。
だから、書くのをやめたとしても、それはそれで大事な決断なんだと思います。
書きたいと思うこと、書くこと、書き続けること、やめること、また戻ること。
プロとして書くこと。
そうした書くことにまつわる物語です。
カバー写真 国分真央
装幀 西村弘美
書籍情報
https://www.chuko.co.jp/tanko/2026/04/006024.html
webメディアリアルサウンドで、新刊に関するインタビュー記事も出ました。
こちらも読んでいただけたらうれしいです。
https://realsound.jp/book/2026/05/post-2384127.html
よろしくお願いします!
